PLATONICA SISTA STORY

きっかけは見つからない「ミニボストン」

私には歳の離れた妹がいます。まだ妹が小さい頃、お姉ちゃん遊んで〜!とせがんできました。けれど友達と出かけるところだった私は、つい邪険にしてしまい、母に世話を任せました。その時の妹の寂しそうな顔がずっと脳裏に焼き付いて離れませんでした。

時は過ぎ、紆余曲折ありながら大人になった私たちはそれぞれに家庭を持ち、ある日、久しぶりに会うことになりました。

妹が使っていた黒のミニボストンバッグがところどころ傷んでいたので新しいのがほしいな、という話を聞いたのであちこち探してみましたが、金具が全てシルバーのもので理想的な形のものがなく、その後も近隣の実店舗やネットショップなど、数ヶ月探しましたがなかなか見つからず・・・「シンプルな形と色なのに、なんでこうも見つからないのだろう・・・」というジレンマを感じていました。

そこで、いつか私が作って妹にプレゼントしたいと思うようになりました。小さい頃、淋しい思いをさせてしまったせめてもの罪滅ぼしになれば、という思いがいつもありました。

「けれど、バッグなど作ったことがないしな・・・」

ただ漠然と想像で描いているだけで、時は過ぎていきました。

転機をもたらしてくれた家族

それからしばらくして、私の誕生日に何が欲しい?と長男に聞かれ、何となく気になっていたので「レザークラフトセットかな?」と答えると、明日到着予定、との返事(笑)

とても驚きましたが、長男がレザークラフトセットをプレゼントしてくれたことがきっかけで本格的に始めることなりました。

始めた当初、普通の裁縫とは違い、穴を開けなければ針が通らない、それを全ての縫い目で穴を空けなければいけないということが、なんて面倒なのだと思いました(笑)

それでも、

革製品を手に入れた時のあの感動…

どことなく伝わってくる、ぬくもりある感触…


それらを思うと、どうしても素敵な作品を作れるようになりたい

そしていつか、妹にも喜んでもらえるバッグをプレゼントしたい
そう思うようになりました。


そうして様々な作品を研究し、制作してきました。


プラトニカシスタの誕生

妹にもやりたいことの夢があり、私にも新たな夢を与えてくれた、レザークラフト。

「platonica」の語源は、古代ギリシアの哲学者プラトン(Platon)ですが、広義には「純粋に精神的な」という意味を持つイタリア語のようです。

そして妹への思いと、夢や希望の象徴「星」を用いて、「実現していく力を誰しも持っていて、全ての人へ心にある純粋な夢への希望を諦めないでほしい」という願いを込めて、「sister」と「Star」を掛けて「SISTA」としました。


私たち人間のために命を賭してくれる様々な動植物たちに、敬意の心を忘れないように、星を湛える月の女神の傍に牛と植物を配し、頭上にはキーモチーフの「P・T・S」を表しました。これが根源の「PLATONICA SISTA」となりました。

プラトニカシスタの革製品が、使う人の毎日を豊かで幸せなものにしてくれると信じて、今日も作り続けます。